ピアノ音源の選び方


昨今、大容量のサンプルを駆使したピアノ音源が各社から競うように出ているが、リアルなピアノ音源は、1台は持っていたいと思う。しかし、これだけ数が多いと果たしてどれを選んだらよいか見当が付きにくい。そこで、ピアノ音源を選ぶ際のポイントを解説する。


1、ピアノ音源はマニアック

まず注意したいのは、ピアノ音源というのは極めてマニアックだという事。ピアノの音というのは非常に拘りを持つ人が多い。正直、あまり気にしなければそこらのMIDI音源に入ってるピアノ音で十分である。しかし、それでは納得しないからより高度な音源を求めるのである。また、ピアノの特性上、様々な技術を導入しやすい事もあり、各社、様々にマニアックな拘りを持った音源が登場している。


2、どんな音に拘るのか?

音源というのは音を出すものである。その音が気に入らなければいくら優れた音源だと言われても気に入らない。つまり、まず、どんな音を望むのかを明確にする必要がある。徹底的にリアルな音を望むのか?明るい音を望むのか?暗い音?いろいろ音色を変えれるのが良いか?あのピアニストのあの音を望むのか?具体的に欲しい音をはっきりとイメージしてほしい。


そして、その上で、各音源のデモを聴いたり、試奏すれば、随分と選びやすくなる。その音は、やはりどうしてもプレミアムな生ピアノで無いと無理かもしれないし、実はそこらのMIDI音源がマッチしてるかもしれない。しかし、どうしても完全にマッチしなければ、妥協が必要である。たとえば、プレミアムな生ピアノは入手出来ない。だからといって普及タイプのピアノにも手を出せなければ、各銘機をサンプリングした音源を代用しなければならない。


3、欲しい音の入った音源を選ぶ

たとえば、スタンウェイピアノの、あの独特な響きが欲しければ、スタンウェイピアノの音が入った音源を選べば良いし、ヤマハピアノの綺麗な響きが欲しければ、ヤマハの音が入った音源を選べば良い。


4、本当に必要な音

欲しい音の入った音源が数種類ある場合、そこで重要なのは、録音方法や音の処理等からくるサンプル音の質の違いである。空気感まで録音されたリッチな音から、一切無駄な音を入れていないドライな音、その間のもの等、各音源は、同じピアノをサンプリングしていても、その響きは随分と違ってくる。

そこで重要なのが、デモやちょっとした試奏では、空気感まで録音された音の方がよりリアルに聴こえるという事。

例えばIvoryのデモを聴いてほしい。
http://www.minet.jp/synthogy/ivory/
なるほど、誰の耳にもリアルな音である。しかし、かなり脚色されているというか、完成された音である。

逆に、AKOUSTIK PIANOのデモを聴いてほしい。
http://www.dirigent.jp/products/ni/sampling_line/akoustik_piano/akoustik_piano.html
Ivoryと比べると地味に聴こえるかもしれない。しかし、自然で美しい音である。

一見、Ivoryの方がリアルに聴こえるかもしれないが、AKOUSTIK PIANOの方にホールの残響を加えると両者全く互角に聴こえる。アンビエント感というのは、音をリアルにする大きな要素なので、デモを聴く際や試奏する時には要注意である。

また、音を聴く際、具体的に、高音の響きは美しいか?とか、和音は美しく響くか?とか、強奏した時の音はどうか?ピアニッシモの音は?とか、具体的に耳を澄まして聴くことが大切である。


5、演奏性

音そのものも大事なのだが、特に鍵盤を使って演奏する場合、注意しなければならないのが、ベロシティーの切り替えによる音の変化である。いくらリアルな音でも、強弱による音の変化が極端に強かったり、弱かったりすれば、一気に台無しである。MIDIでは、127段階のベロシティーがあるのだが、例えば10段階ベロシティーのサンプル音の音源で、59段階の音を鳴らした後に60段階の音を鳴らしたとき、いきなり音が変わってしまうようでは困る。50段階から60段階、サンプルの間でちゃんとスムーズに音が変化する事が、特に鍵盤で演奏する際に重要であるが、これは試奏するより他にない。

また、実際に演奏するなら、いくらリアルでも、激しく重い処理な音源は使い物にならない。PCのパワーともよく相談して、場合によってはハード音源を選択するのも悪くない。


6、明確に

とにかく、望む音を明確にする事。その音は、SC-88Proの音かもしれないし、KAWAIの電子ピアノかもしれないし、コルグのシンセの音かもしれない。音を明確にして、音源の形態をまずは度外視して選択する事。そして、値段や設置場所等を考えて選んでいけば、おのずと選択肢は見えてくると思う。具体的な音源の比較や検討は、また別の記事にて。



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